季節を料理するー中江百合



わたしが密かに“百合さま先生”とお呼びしている中江百合氏の著書です。


簡単に経歴をご説明しますと・・・

明治25年生まれ。東洋英和女学校から横浜のフェリス女学院に編入、卒業。十六歳で素封家中江家に嫁ぎ、料理研究をはじめる。昭和44年没。終生一級品の追求と美味三昧の生涯であった


だそうです。東洋英和ということは、村岡花子女史と同世代でしょうか。

お父様は司法官ですから、今でいう国家公務員のお嬢さん、ですが、今の感覚とは随分違います。今風にいうと社会的地位のあるインテリセレブのお嬢様です。


そして見開きの序文は美食家で有名な阿川弘之氏(阿川佐和子さんのお父様)という、恐れ多い本でございます🙇


この本には今の料理本にはないものがあり大変貴重な著書です。

今の料理本は写真に彩られ大変見た目が豊かで美しいものですが、この本を読むとなんて内容が薄っぺらいのかと思うほどです。実際、サロン形式の料理教室に通っても得られないものがこの1冊にはあります。おまけに、使われている日本語もとにかく美しい✨


既に絶版の本なのでぜひ手に取ってなどは言えないのですが、昔から受け継がれてきた料理の“本当の”基本を知りたい方は、古本屋さんなどを探してみると新たな発見があるかもしれません。わたし自身、料理の技術は昔からのものを引き継ぎながら習得することを心に決めていて、家庭料理の部分では手を抜く部分は抜きながら料理をしていますので、この本はきっとわたしが死ぬ日まで手元に置いておく本になると思います。








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